④「遅延型食物アレルギー」
食物アレルギーには食べてすぐに症状の出る「即時型アレルギー」と、すぐには症状の出ない「遅延型アレルギー」の二つがあります。
ふだん私たちが思い浮かべるのは、即時型アレルギー(魚を食べてじんましんが出る、そばを食べて呼吸困難になるなど)だと思います。
他方、遅延型のアレルギーは「これが原因だ」と気づかないまま、ずっとその食材を食べ続けて症状が悪化していく、やっかいなアレルギーなのです。
最近、アメリカなどで、小麦と乳製品を除去することで、発達障害の症状が改善されることが分かり、日本でも徐々に広まりつつある食事法があります。
小麦に含まれるグルテンというたんぱく質と、乳製品に含まれるカゼインというたんぱく質を除去するということで「グルテンフリー・カゼインフリー」と呼ばれています。
なぜグルテンとカゼインを除去すると、発達障害の症状が改善するのでしょうか。
実はこの二つのタンパク質はとても消化しにくい構造をしていて、腸の中でアミノ酸にまで細かく分解されないまま、吸収されてしまいます。それが麻薬のような働きをして脳を混乱させ、落ち着きがないとか、同じ行動をくり返すといった症状を引き起こすのだそうです。
そして、グルテンとカゼインをうまく消化できない子どもには、消化酵素の先天的な不足や、腸のコンディションが悪いということがあるそうです。
発達障害を発症する子どもたちには、便秘や下痢をくりかえす、便やおならが臭いなどの消化機能の問題を抱えている子が多いと言われています。
もともと腸の粘膜が弱いところへ、早すぎる離乳(特に小麦、卵、乳製品など)をすることで、アレルギーの下地を作ってしまいます。
また、抗生物質を頻繁に飲むことも問題です。中耳炎や扁桃腺炎などは子どもがかかりやすく、なかなか治らないので、お医者さんから抗生剤をもらって長く飲むことが多いです。
しかし、抗生剤を飲む→腸内フローラが乱れる→免疫力が低下する→病気になりやすくなる→抗生剤を飲む、という負のスパイラルに陥る危険があるのです。
このようにして、腸内の状態が悪くなると、腸内では「カンジタ菌」という菌が増えて、腸の粘膜は穴だらけのぼろぼろになってしまいます。これを「リーキーガット症候群」と言います。
これは発達障害の症状をますます悪化させ、必要な栄養が摂れないために、治療も難しくなってしまうのです。
さて、このこんがらがってしまった状態をどうやって改善させていけばいいのか?
2、次に、悪い菌を取り除く。→カンジタ菌の除菌をします。
3、善玉菌を摂って腸内環境を整えます。これをプロバイオティクスと言います。
4、最後に善玉菌を増やす食材を摂ります。これをプレバイオティクスと言います。
これをご家庭でやるとしたら、
2はカンジタ菌を殺す働きのあるオリーブリーフなどの摂取がおすすめです。ただし時間が非常にかかります。また、カンジタの大好物は砂糖などの糖質ですので、併せて糖質制限も必要です。
3は乳酸菌入りのサプリメント(ヨーグルトは乳製品なので摂取しないようにして下さい)を摂取し、できるだけ添加物の入らないものを選んでください。
ひどいカンジダ増殖を起こしている場合、味噌や納豆などの発酵食品は避けます。カビの仲間である麹や、カビ類が付着している可能性の高い輸入ナッツ・ドライフルーツ、菌糸類のきのこなども避ける必要があります。
詳しい内容については、こちらの書籍などをおすすめします;
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4は食物繊維やオリゴ糖を含むものを摂取します。
上記以外にも、腸の粘膜の状態を改善するために、タンパク質、ビタミンB、ビタミンA、亜鉛、グルタミン(腸の粘膜の栄養となるもの。グルタミン酸ではありません。)
などを摂るようにしましょう。