過去記事のレシピでは、動物性食品を使用したものもありますが、最新の情報では、植物性タンパク質を推奨しております。
食肉は、大豆ミートや高野豆腐などに置きかえてみて下さい。順次新しいメニューなどと入れ替えていきたいと思います。

”油(オイル)”について

若々しくありたい!
ハツラツと活動したい!
誰もがそう思っているのではないでしょうか。

私たち人間の体の60~70%は水分です。
その水分が失われないように守っているのは”油(オイル)”です。

例をあげれば、冬の乾燥した季節に肌を潤しても、乳液やクリームなどの油分を補わないと肌は水分を失い、乾燥してしまいますね。

”油(オイル)”と聞くと、あまりいいイメージを持たれない方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方にこそ、この記事を読んでいただき、”油(オイル)”を知ってほしいと思います。

私たちの体は小さな細胞がおよそ60兆個集まってできています。

その細胞一つ一つに使命や役割があり、その使命や役割を果たすことで生命を維持しています。
その細胞に詰まっているものを守っているものは細胞膜です。
この大切な役割を担っている細胞膜の主原料が脂肪なのです。

また、その細胞への指令(伝達信号)を送る脳は約70%が脂肪からできています。
この脂肪によって細胞膜のパフォーマンスが上がったり(=冴える、俊敏になる)、下がったり(=物忘れ、鈍い)、脳の柔らかさを決定するのです。

細胞から核を取り除いても細胞はすぐに死にませんが、細胞膜が破壊されるとたちまち死んでしまうことが実験でわかっています。
ですから毎日摂っている”油(オイル)”の質はとても重要なのです。

さて、”油”と”脂”と”油脂”と”脂肪”??

”油(オイル)”は常温で液体のものを指します。

”脂”は常温で動物性で固体のものを指します。

脂肪は”油(オイル)”でもあり”脂”でもあります。

1、オメガ3系列脂肪酸(エゴマ油、亜麻仁油、ナッツ、魚油)

体内で合成することのできない必須脂肪酸です。

血管拡張、血栓抑制作用、アレルギー炎症抑制作用があると言われています。

また魚に含まれるEPA・DHAにはガン抑制の効果も認められています。

オメガ3系不足は脳機能に大きく影響します。(例・うつ、認知症など)

脳の70%は脂質で構成されていますので、スムーズな神経伝達にはオメガ3系を積極的に摂ることです。

しかし注意してほしいのは、いくら良い油でもオメガ3系は熱に大変弱く、酸化しやすい点です。

よく、コンビニやスーパーで『体に良いオメガ3系の油で揚げた天ぷらです!』と謳っていても、それは酸化してしまった油で揚げた食べ物だということです。

油を高温で加熱すると酸化してしまうことと、その過程で有害物質が発生していることを覚えておいてください。

ですから、オメガ3系のエゴマ油や亜麻仁油などは低温で生のまま摂ることが望ましいです。

例:そのままスプーンで飲む、納豆などにかける、ドレッシングに使用する、など

 

2、オメガ6系列脂肪酸(コーン油、大豆油、ヒマワリ油、紅花油、綿実油、ごま油、グレープシードオイル)

体内で合成することのできない必須脂肪酸です。

血管凝固作用、血栓促進作用、アレルギー促進作用があると言われています。

オメガ3系同様に熱に弱く、酸化しやすいため体内で炎症を起こします。

アレルギーの症状が止まらないのはアレルギーを促進するオメガ6系の摂りすぎも原因のひとつです。

オメガ6系のリノール酸を200℃以上の高温で加熱をすると毒性の強い物質が発生します。

オメガ6系とオメガ3系はそれぞれ逆の作用(拮抗作用)を起こすためバランスが非常に重要です。



3、オメガ9系列脂肪酸(オリーブ油、菜種油、アルガンオイル、アーモンドオイル)

もっとも酸化しにくいため、保存しやすく調理に使いやすい。

オレイン酸は悪玉コレステロール(LDL)を減少させ、肝臓や腸の働きを高めると言われています。


4、飽和脂肪酸(バター、ヘッド、ラード、肉の脂身)

融点が高く、常温では固体のため”脂”とされる。

常温で固体のものに「ココナッツ油」があります。

ココナッツ油は中鎖脂肪酸(脂肪酸の長さの分類です)で、他の油に比べて消化吸収のスピードが高く、

脂肪としても蓄積されにくい特徴を持っています。

また脳のエネルギーとなる「ケトン体」に分解される性質を持つため、アルツハイマー型認知症の予防や対策に役立ちます。



5、トランス脂肪酸(ショートニング、マーガリン)

植物油が原料でありながら、常温で固体のもの。

海外では規制されている(欧米、オーストリア、シンガポール、韓国、台湾、中国など)

血液をドロドロにし、心筋梗塞や脳梗塞の原因。


一般的に販売されている「サラダ油」とは、日本独自の油でリノール酸を多く含むものが多いです。

菜種油、紅花油、ヒマワリ油、グレープシードオイル、ゴマ油、コーン油、コメ油、大豆油、綿実油の9種類のうち

2種類以上の原料を調合させて作ります。

現在の主流は大豆油+菜種油の混合がほとんどです。

JAS規定では0℃の環境下で5.5時間経っても濁らないことが条件とされています。

また、高温で加工処理をしてつくられる際にトランス脂肪酸が発生したり、製造過程で何度も高温加熱処理をするため

有害物質のヒドロキシノネナール(アルツハイマー病の原因)が発生します。


油(オイル)の役割は

1、栄養…丈夫な細胞膜を作る、柔らかな脳を作る、脂溶性ビタミンの溶解と体内への吸収促進

2、加熱…水の沸点は100℃であるが、油を使うことで100℃以上の高温調理が可能になる

3、加工…食感の改善やツヤ出し


スーパーに行けばたくさんの”油(オイル)”が陳列されています。

調理方法や食べ方にあったオイルを選びましょう。

オメガ3系:オメガ6系の比率は、「1:1〜4」が理想的です。

しかしながら近年ではオメガ3系:オメガ6系の比率が「1:10~40」であるのが実情です。

オイルの使い方や比率を知り、上手に選び、生き生きとした毎日を送りましょう。

 

参考文献:食べ物を変えれば脳が変わる(生田哲・著)

「代謝」が変われば身体が変わる(大平万里・著)

その油を変えなさい!(内海聡・著)

発達障害の子どもが変わる食事(ジュリー・マシューズ・著)

執筆者:しいなゆきこ