過去記事のレシピでは、動物性食品を使用したものもありますが、最新の情報では、植物性タンパク質を推奨しております。
食肉は、大豆ミートや高野豆腐などに置きかえてみて下さい。順次新しいメニューなどと入れ替えていきたいと思います。

乳製品について

冬休みに入り、毎日のお食事の用意に加え、お子さまのおやつも気にかかりますね。

また、家族や身内が集う機会の多い年末年始のお食事内容もうまく乗り越えたいところです。

今回のテーマは「乳製品について」です。

 

地球上では遠い昔から家畜を飼育して暮らす民族が存在しました。

「牧畜」をが生活の基盤となる「遊牧民族」などです。

彼らは、草食である有蹄類の家畜(うし、うま、ひつじ、やぎ、らくだ、など)の乳搾りの習慣がありました。

牧畜文化はモンゴルから中央アジア、西アジア、北アフリカなど乾燥地域に分布します。

乳は理想的な栄養食品でしたが、その反面すぐに腐敗してしまうため、様々な乳製品に加工し、保存をするようになりました。それがヨーグルト、チーズ、バターなどです。

原料乳に乳酸菌を加えて発酵させたものがヨーグルト。

原料乳に乳酸菌とレンネット(凝乳酵素)を加え、カードを形成して熟成させたものがチーズ。

昔、羊の腸に生乳を入れて砂漠を持ち歩いたところ、砂漠の温度と旅の間揺すられたことにより偶然チーズが出来上がったという説もあります。

原料乳を発酵、攪拌(チャーニング)、練圧(ワーキング)させたものがバター。

 

昔から乳製品を貴重な栄養源としてきた民族は家畜から乳を搾り、乳製品に体を適応させてきました。

しかし、日本民族に牛乳を飲む習慣が根付いたのは戦後、せいぜいここ70年くらいのこと。

そのため体や消化機能が十分に適応できなくて当然なのです。

牛乳に含まれている乳糖は「ラクターゼ」という分解酵素によって分解されますが、このラクターゼは乳幼児期にしか分泌されません。離乳期になると分泌が止まってしまうのです。

乳製品を摂る習慣のなかった日本民族に「乳糖不耐症」が多いのはそんな理由からとも言われています。

しかも牛乳の乳たんぱく質のカゼイン粒子は分解されにくいアミノ酸列をしており、未消化のまま腸に入り、腸の粘膜を傷つけてしまうのです。このような炎症が繰り返されると「リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群)」となってしまいます。

 

<カゼインを含むもの>

  • 牛乳、カフェオレ
  • ヨーグルト
  • チーズ(ピザ、粉チーズ、グラタン、リゾット)
  • アイス、ソフトクリーム
  • 市販のクリームシチュー
  • 生クリーム

どれも、みんなが大好きなものばかりですよね。

 

ではこれらに代わるもの、カゼインフリーになるものをご紹介します。

  • 牛乳の代わりに→アーモンドミルクや豆乳
  • 牛乳由来のチーズやヨーグルトの代わりに→ヤギ乳由来のチーズやヨーグルト
  • 牛乳が原料のアイスに代わり→果汁や甘酒を凍らせたアイスやシャーベット
  • 生クリームの代わりに→豆腐クリーム

いろいろと代わりになるものはあります。

 

粉ミルクがなかった頃の日本では、母乳の出ない女性は赤ちゃんにヤギ乳を飲ませていました。

ヤギ乳は母乳にとても近く、脂肪球が牛乳のおよそ1/6と小さいため、消化しやすく吸収されやすいのです。

以前の投稿でヤギ乳のチーズをご紹介しましたね。

 

◆ヤギチーズを使って作った『牡蠣と黄色ビーツのリゾット』です。

ヤギ乳特有の臭いなどあまり気にならずに美味しく食べられました。

 

 

◆ケーキやデザートに添えたい生クリームは『豆腐クリーム』で。

作り方は簡単!

水切りした木綿豆腐にてんさい糖、米油、レモン汁を加えてフードプロセッサーでなめらかにするだけ。

冷蔵庫で冷やしてお使いください。

 

 

◆ハードタイプのヤギ乳チーズはクセもなく食べやすいので、お子さまのオヤツにぴったりです。

たんぱく質やカルシウムビタミン類などの栄養素が牛乳よりも豊富です。

 

 

 

 

 

 

 

参考文献:「強い体をつくる食べ方/内海聡」、「分子栄養学/三石巌」、「発酵食品学/小泉武夫」

執筆者:しいなゆきこ